人から贈与された財産は自分が言わなければバレないと思っている方はいらっしゃいませんか?
結論から言うと、贈与税の無申告は税務調査でほぼ100%の確率でバレます!
みなさんが思っている以上に、税務署はお金の流れを把握しています。
特に贈与は納税逃れがないように重点的に調査され、無申告も高確率で見つけられるため、ほぼ100%の確率で無申告の方は重いペナルティが課せられることになります。
ここでは、なぜ税務調査で贈与税の無申告がバレるのか?知らないでは済まされない無申告のペナルティなどについて解説いたします。
贈与税の基礎知識
まずは贈与税の概要を確認しておきましょう!
キーワード解説▶️【贈与】
自分の財産を、双方合意のもと無償で相手方に贈るという、いわば契約の一種といえます。
相手方は家族や親族だけでなく、血縁関係のない他人も含みます。
個人から無償で財産を贈与する際に課せられる税金のことです。
その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円を超える場合は、申告と納税をしなければなりません。
贈与税の支払いは、贈与を受け取った側=受贈者に申告・納税する義務があります。
申告と納税方法
< 非課税枠 >
1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。この場合、申告も不要です。
< 法定納期限 >
受け取った年の翌年の2月1日から3月15日までです。
< 申告方法 >
申告書を以下の方法で税務署に提出します。
① e-Tax
② 郵便や信書便による送付
③ 税務署の時間外収受箱へ投函
< 納税方法 >
キャッシュレス納付やコンビニ納付、金融機関または所轄の税務署窓口での納付が可能です。
キーワード解説▶️【法定納期限】
贈与税含め国税を納付すべき期限のことを言い、原則として申告期限と同日となります。
相続税との違い(生前贈与3年→7年)
亡くなった親や配偶者などからお金や土地などの財産を相続した場合に課される税金のことです。
財産を受け取る”相続人”となるのは子どもや兄弟などの血縁者が一般的です。
簡単に言うと、「贈与税」は生きている人の財産の贈与を受けたときに、「相続税」は故人の遺産を相続するときにかかる税金です。
どちらも受け取る側に課税されることが共通点です。
< 相続税の法定納期限 >
「被相続人(財産を遺す人)」が死亡したことを知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10カ月以内に納付しなければなりません。
遺産の「生前贈与」は3年➡︎7年に改正
存命中に財産を引き継ぐ「生前贈与」は、贈与税がかかる場合がありますが、税負担を軽減できる可能性があります。
ルールが大きく変わり、対象期間が今までは「死亡日以前3年間に贈与された財産は相続税の対象」でしたが、税制改正により2024年1月より「7年間」になりました。
※参照:令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(国税庁)
贈与税の対象
次に、どんな贈与が課税対象となるのか解説いたします。
対象とならない場合もあるので確認していきましょう!
対象となる贈与
贈与税は、原則として贈与を受けたすべての財産に対してかかります。
対象となる主な贈与には以下のものが挙げられます。
- 現金や預貯金
- 株式などの有価証券
- 土地や建物の不動産
- 車や貴金属
- ゴルフ会員権など
- みなし贈与 = 贈与の意図はなかったが、贈与を行なったとみなされる行為
キーワード解説▶️【 みなし贈与 】
贈与を行なったとみなされる行為には以下のものも含まれます。
・掛金を負担していない生命保険の保険金を受け取った
・著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた
・借金を肩代わりしてもらった
・無利息での金銭の借り入れ
・実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている
対象とならない贈与
贈与の中にはその財産の性質や贈与の目的などからみて、贈与税がかからないものもあります。
贈与税がかからないものをいくつかご紹介いたします。
- 法人から贈与されて取得した財産 ※法人からの贈与の場合は取得税がかかります。
- 扶養義務者 (親子や兄弟、夫婦など)からの通常必要と認められる費用
例:生活費・教育費・結婚費用・出産費用など - 奨学金などの特定公益信託
- 香典、年末年始の贈答、お祝い金、お見舞金など
- 心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
贈与税はなぜ税務調査でバレる?
例えば、現金や貴金属を直接手渡しで贈与され、当事者以外誰も知らないのに何故バレるの??と不思議に思いませんか。
税務署は常に、法務局や銀行はもちろん関係機関やSNSなどあらゆるルートから情報を収集していて、お金の流れがありそうなポイントを見つけ把握しています。
不動産の購入や株式の売買など高額なお金が動く場合はもちろんですが、それ以外でバレやすいポイントをいくつかご説明いたします。
税務署からの「お尋ね」文書
「お尋ね」とは税務署から送られてくるアンケートのようなもので、「贈与税の申告に対するお尋ね書」と「不動産購入資金に対するお尋ね書」があります。
回答内容からバレたり、無回答による本格的な税務調査によりバレるケースがあります。
「お尋ね」の回答義務はありませんが、回答しなければ税務署は不信感を抱いて本格的な税務調査に乗り出す可能性があります。
相続税の調査
相続税の調査目的は故人の遺産を調べることですが、その過程で財産や相続人も調査され、申告漏れが発見されるケースがあります。
なお、相続税の税務調査では、相続人の銀行口座などを調べる権限もあります。
法定調書
法定調書とは、相続税・所得税法などによって、事業者から税務署への提出が義務付けられている書類です。
税務署は、事業者から提出された法定調書をもとに、どの人がどのくらいの所得や譲渡益を手にしているかを把握でき、申告漏れも分かります。
贈与税の申告漏れのペナルティ
贈与税の申告・支払いを放置した場合、ほぼ100%の確率で重いペナルティが与えられます。
ペナルティは本来の納税に追加で課せられる税があり、大きく分けて「延滞税」と「加算税」があります。
延滞税
納税が遅れた場合に課せられるペナルティで、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて、遅れた日数に応じて7.3%か14.6%の延滞税が課せられます。
※毎年税率が異なるため、確認しましょう。
加算税:無申告加算税 / 過少申告加算税 / 重加算税
無申告加算税
期限までに申告・納税しなかった場合に課される追加税のペナルティです。
本来納めるべき税額に加えて、15%~30%の無申告加算税が課せられます。
過少申告加算税
期限までに申告・納税した額が本来の納税額より少なかった場合に課される追加税のペナルティです。
過少申告加算税の金額は、新たに納めることになった税金の10%~15%の相当額です。
重加算税
申告・納税で仮装や隠ぺいがあり悪質な場合に課される追加の税金。
贈与されたことを隠していた場合などは35%または40%の重加算税
故意に申告しなかった隠蔽したなど、悪質だと判断された場合に、「無申告加算税」・「過少申告加算税」に加えて課せられる最も重いペナルティです。
まとめ
贈与は見てないから・お金じゃないからと申告せずに放置すると、後から大変なことになります。
バレない方法はありません!
贈与税に該当する場合は、正しく申告し納税しましょう。
贈与税に該当するか分からない場合は、税理士に確認・相談してください。
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